イベリコ豚の放牧 店長見学レポート
イベリコ豚とは?
1.イベリコ豚の血統・ランク 2.イベリコ豚歴史・品種の起源 3.イベリコ豚の出産~飼育方法
4.イベリコ豚放牧 店長見学レポート 5.イベリコ豚部位説明
モンテサーノ社の契約農場放牧地
デエサにイベリコ豚ベジョータの見学
イベリコ豚に囲まれている、四代目店長:中野貴仁。
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イベリコ豚はデエサと呼ばれる放牧地に放たれている。デエサと呼ばれる常用樹のトキワ樫、コルク樫などの森林がスペイン南西部に何百キロも広がっており、海をイメージさせるほど果てしなく続いていた。 イベリコ豚が生息するデエサはコルドバの周辺、サラマンカ~ウェルバまで。今回見学させてもらった放牧地のあるエクストレマドゥーラ州は、デエサ全体の45%が広がっており、最も優れた肉質のイベリコ豚を育成できる土地である。 イベリコ豚を見に行くには相応の努力が要る。舗装された道路は途中で終わり、土の道へと変わる。土の道はデエサの奥へと誘っていく。デエサの中を進んでいくと、どんぐりの森が目の前に広がった。その森をさらに進んでゆくとそのうち土の道すらなくなり、とうとう道なき道を進むことになった。 やっとの思いでイベリコ豚の放牧地にたどり着くと、そこは目の端から端まで広大なデエサが広がっていた。あたり一面静まり返り、聞こえるのは鳥のさえずりと川のせせらぎだけ。ローズマリーの香りが胸いっぱいに広がる。 今回の見学地では、イベリコ豚を放牧している場所は石垣で囲いがされていた。しかし、あまりに広大すぎてイベリコ豚たちをすぐに発見することができない。10分ほど歩き回り、案内人ですら今日は見つけられないかもしれないとあきらめかけていたころ、ようやくイベリコ豚の一群に出会うことができた。 |
イベリコ豚は、ほぼ野生の状態で放牧されているので非常に俊敏かつ臆病だ。体格に似合わず足がとても速く、人が本気で走ったとしても到底追いつくことはできない。また目も良いようで、500mも近づくと豚たちはこっちをじっと見つめ、一目散に逃げていってしまう。案内人にアドバイスをもらいイベリコ豚と同じ目線までしゃがんで5分くらいじっと待っていると、ようやく豚たちが近づいてきてくれた。しかし、それもつかの間。一瞬気を抜いて立ち上がったら再びあっという間に逃げてしまった。 |
イベリコ豚は森で何十頭かの群れを成して生活している。一日の生活は日の出とともに始まる。豚たちは日が昇り始めるとどんぐりを食べ始める。その後は水を飲んだり、寝たり、水浴びをしたり、再びどんぐりを食べたりと自由に過ごす。また一日の移動範囲は大変広く、この大移動でサシが入った上質の肉ができるようだ。イベリコ豚の一日の終わりもまた太陽とともに締めくくられ、日が沈むと眠りにつく。 人と触れ合わず、本物の大自然の中でストレス無く育つこともまた、イベリコ豚を上質な肉質に育て上げる要因のひとつだそうだ。このように手間ががかかるためイベリコ豚のベジョータはイベリコ豚の中でも約1%しか育てられないそうだ。 |
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一番ランクの低いイベリコ豚のセボ(ピエンソ)は3~7月に生まれ約1年間育て出荷する。育て方はほとんど変わらないが、放牧期間は短くなりドングリも食べない。安定して供給できる。セボの中でも放牧されるものと、されないもの両方があり、前者の放牧されたイベリコ豚セボのほうがおいしいそうだ。また、イベリコ豚を放牧しない時期には、羊や牛を放牧することもあるそうだ。 イベリコ豚は出荷時期が近づくと全体的に肉付きが良くなり、頬とあごに襟巻きのような肉がつく。出荷の際は農夫が豚の鳴き声を使って広大な放牧地から豚たちを集め、トラックに積み込むそうだ。 2008年はイベリコ豚の出来がとてもよかったそうだ。ハムになって出荷されるのは3年後。今から楽しみだ。 |
→5.イベリコ豚部位説明
1.イベリコ豚の血統・ランク 2.イベリコ豚歴史・品種の起源 3.イベリコ豚の出産~飼育方法
4.イベリコ豚放牧 店長見学レポート 5.イベリコ豚部位説明
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